「敦賀さんってあんたの事が好きかもよ。この機会に告白してみれば?」
「え〜?でも、今度の撮影のとき頑張っちゃおうかな〜

「京子って可愛いよな〜スッゴク優しいし。多分お前のこと好きなんだぜ」
「そんなことないだろう。でもあんな彼女欲しいなぁ…今度の撮影のとき告ろうかな」

局のカフェテリアでランチを食べているとき、そんな会話が耳に入った

「いいの?キョーコ?」
「何で? 別に関係ないもん。それに共演者とは仲良くしなきゃ(※怨キョ発動中)」
「…ふ〜ん、あんたたちが出ているドラマの共演者なんだ(それならその禍々しい空気をどうにかしなさいよっ!)」

「いいのか、蓮?」
「何がですか(キュラリ☆)? 共演者と仲がいい事はとっても大事ですよ(キュラリスト☆☆☆)」
「…ふ〜ん、そうかぁ(ヒーッ!その顔、どうにかしろよっ!!紳士で温和なイメージが売りなんだぞっ!!)」


実行


「あれ?社さん」 「あれ?琴南さん」

スタジオの片隅に置かれた給水機の前で奏江と社はばったり出会った
2人とも手には同じ様な薬

「…社さん消化不良ですか
「…琴南さんか…ちょっと悪い気に当てられてね

そう言いながら、2人は胃腸の調子をおかしくした原因の2人に目を向けた
原因の主演男優と助演女優は少し離れた場所で台本を読んでいた
その2人に忍び寄る2つの影

「京子さん。ちょっと時間ある?」
「敦賀さん。お時間宜しいですか?」

「「え?」」

突然呼びかけられた2人は慌てて目線を上げた

「時間ですか?次の出番までなら」
「時間?今は出番じゃないからいいけど」

「じゃあ、ちょっと向こうで」
「じゃあ…ちょっとあちらで」

「いいですよ……あっ」
「いいよ……あっ」

立ち上がった2人は、お互いが同じ様なタイミングで立ち上がったことに気づいた
パチッとキョーコの大きな眼と蓮の切れ長の眼が合わさる

「…キョーコちゃん?」
「…敦賀さん?」

「あ…すみません。行きましょう」
「あ、ごめんね。行こうか」

そう言って2人は反対方向に歩き出した


「素直じゃないわねぇ」
「素直じゃない奴」

スタジオに戻ってきたところを、親友と担当マネージャーに迎えられた女優と俳優は苦笑いを零した


(だって、"邪魔する"なんて言ってないもん
("邪魔する"なんて言わなかったじゃないか

先を歩く人物の背中を見ながら、キョーコと蓮は頭の中で自分を納得させていた


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